予約していた本を図書館に取に行く。

あとがきに書かれているように

〜排他的な書き手は「周知のように」という挿入句を愛用し、そのあとに「読書のほとんどが知らないこと」を続ける。このような「ジャルゴン(内輪の語法)」が通じるような読者に限定するような文章、ではなく時代も場所も状況も違う読者を想定して書かれた文章〜

を心がけているそうなので、そう難しく感じることなく読めそうである。


いつものように十三を自転車で通ると、「たけちゃんマン」という風俗案内所が表通りまで進出してきている。暇つぶしにうろうろしてみたが、他にもこのあたりの案内所の店名はバラエティに富んでいる。地元への愛着が感じられる「ルパン十三世」、おもわず暖簾をくぐりそうになる店構えの「屋台村13」、黒沢明もびっくりの「俗武者」、安くて明朗会計な店を紹介してくれそうな「ジャパネットたかお」、スタバそっくりの看板が目印の「skee becks」、男たちの欲求不満を即座に解決してくれるであろう「名案内コナン」等。薄暮に輝くこれらのネオンをみていると、論ずるまでもないかもしれないここ、十三という街場に、藤田まこと「十三の夜」から連綿と続く風俗魂がいまも密かに息づいているのを感じる、というのは言い過ぎだろうか。と、おもわず三流ノンフィクション風の妄想がでてしまった。