『枯葉の中の青い炎』読了。スタルヒンの300勝達成の陰に元高橋ユニオンズの選手で後にミクロネシア・トラック環礁の大酋長となった相沢進の呪術があったというお話。戦前の中島敦なんかもでてきたりなんとも不思議な小説だがほぼ史実に基づいた話らしい。戦後プロ野球の試合も興味深く描かれている。ラストには読者に対する作者の声らしきものも。

(この物語について)益体もない物語作者の夢想、幻想とでもいいたいのだろうが、しかし、物理世界と精神世界を密かに結ぶシンクロニシティは、日常世界にいくらでも起きていることではないか。<−中略−> 秘蹟を起こすことのできる儀式、方法をわれわれは持っていないだけなのだ。